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2025年関東大学ラグビーリーグ戦 1部
日程:9月28日(日) キックオフ15時30分
会場:八王子市上柚木公園陸上競技場
大東文化大学vs日本大学
『後半に追い上げを見せ逆転。公式戦初勝利を掴む。』
<結果>
前半 14-24
後半 26-7
合計 40-31
これほど待ち望んだ勝利はない。
関東大学春季交流大会を5戦全敗で終え、長野県・菅平で行われた夏合宿でのトレーニングマッチに続き、先日の関東学院大との戦いでも惜敗を喫した。
エトキ)今試合、POMを受賞したNO.8ノア・トファエオノ(外英2=豪・ウェーバリーカレッジ)
そして迎えた9月28日(日)の日本大学との一戦。西日に照らされたモスグリーン色のユニフォーム軍団は、待望の「勝利」を手に入れた。
「何より、学生が嬉しい勝利だと思います」。(監督・酒井宏之)
試合後、選手と喜びを分かち合う酒井監督
日大のキックオフから始まった試合。開始早々、WTB(ウイング)タヴァケ・オト(外英4=御所実業)がハーフライン付近で相手のキックパスをインターセプトし、持ち前の推進力で敵陣深くまで入り込む。その後もオフロードパスを繋ぎ、ゴール前まで迫り、最後はNO.8トファエオノが相手を弾き飛ばし、インゴールに飛び込んだ。
その後のゴールキックもSO(スタンドオフ)飯塚祐真(スポ科2=深谷高校)が冷静に決め好スタートを切る。
しかし、前半8分に日大スクラムの攻撃化から、二次目でサイドライン際を突破され、ゴールラインを明け渡し7-7の同点とされる。
追加得点を狙いたい大東大だが、自陣ゴール正面での反則から日大にペナルティーゴールを与える。さらにキックパスの処理ミスでこぼれたボールを拾われ失点し7-17と10点差に広げられる。
しかし、一試合を通して大東大のFW(フォワード)が力強いボールキャリーで激しいコリジョンを見せ、敵陣に侵入後はフェイズを重ねるごとに着実に前に進む。
一年生ながらもスクラム最前列で戦うPR(プロップ)芳賀空(経営1=御所実業)
前半37分には、NO.8トファエオノが敵陣ゴール前で得た日大の反則からタップキックでスタートし、日大ディフェンスをなぎ倒し2トライ目を決め、ゴールも成功し14-17とする。同点に追いつくために追撃を仕掛けるも、前半終了間際にまたもサイドライン際で突破を許し、失点。前半を14-24で折り返した。
CTB(センター) 小澤匠(社経2=札幌山の手)が前半の2トライを「(日大のアタックを)流してしまい、縦に詰めて仕留めるディフェンスができていなかった」と振り返った。
何としてでも逆転したい大東大は、後半立ち上がりにFL(フランカー)小島拓人(スポ科3=開志国際)がジャッカルを決め、マイボールにするとタッチキックで敵陣深くに入り込む。安定したラインアウトを起点に攻撃を重ね、HO(フッカー)大西樹(スポ科4=御所実業)がハイタックルをもらいアドバンテージのある状態でNO.8トファエオノがボールキャリーし、ゴールラインにボールを叩きつけた。
NO.8トファエオノ自身も「ヒットとモメンタム」を意識してプレーできたという。
数分後、オフロードパスでつなぐ日大のアタックを仕留めきれずトライを許し21-31と、またも10点差に広げられる。
しかし、その後再びNO.8トファエオノが爆発力を見せる。ゴール前付近でのラインアウトから飛び出し4本目のトライを決めると、さらにはゴール前でのFWの激しい肉弾戦を制し5本目のトライを決め逆転に成功する。
エトキ)インゴールに飛び込むWTB大方
大東大の追撃は続き、WTB大方維織(経営2=青森山田)が得意のステップでラインブレイク。オフロードパスを繋ぎ、NO.8トファエオノからリターンパスをもらったWTB大方がインゴールに飛び込んだ。スコアを40-31で1トライ1ゴールでは追いつけない点差にする。その後ペナルティーゴールを決められるも6点差を守りぬき勝利を収めた。
試合を終えてCTB橋本颯太(スポ科4=熊谷工業)は「相手を28点以内に抑えるという目標を達成できず、アタックの部分についても、もっと周りを使ってトライにつなげられるプレーができたと思います。それでも、勝利したことでこれからは自分たちのラグビーに自信をもってプレーすることができると思います」と振り返った。
主将の伊藤
「関東学院に負けてから、ジュニア戦も含めてチーム一丸となって今日まで過ごせたのが勝利につながったということをすごく感じました。」こう振り返った主将のFB(フルバック)伊藤和樹(スポ科4=青森山田)はようやく掴んだ勝利に安堵感を抱いて答えた。
次戦は、10月5日(日)に福島県いわき市のハワイアンズスタジアムいわきで立正大学と対戦予定だ。
磐城高校出身のPR(プロップ)小田桐祭(スポ科4=磐城高校)は地元開催について意気込みを語った。
「社会人でラグビーを続けていたとしても、地元いわきで試合をするのはなかなかないことなので、立正に勝って恩返しをしたいです」。
今試合、日大に逆転勝利を収めたものの、試合内容は依然として課題が残り、今後の試合に向けて修正が求められる。28日の試合が終わった時点での大東大の勝点は6点。最も高得点の東海大学は12点、続く東洋大学は11点と、上位との差は大きい。リーグ戦2連覇を目指すためにも、ここから一つずつ白星を積み重ねたいところだ。
長らく続いた敗戦の洞窟を抜け、仲間とともに観客席に見せた笑顔。
もう一度、いわきの地で勝利の喜びを分かち合いたい。
文/写真:宮田脩平