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2025.12.14
ラグビー部

【ラグビー部】関東大学ラグビーリーグ戦 vs東洋大学

2025年関東大学ラグビーリーグ戦 1部

日程:11月30日(日) 

会場:秩父宮ラグビー場

大東文化大学vs東洋大学

『反撃届かず、無念の入れ替え戦へ』

<結果>

前半 0-24

後半 12-10

Total 12-34

後半、トライを決めた大竹。左手首にリストバンドを付け戦い続けた

 <試合レポート>

「規律の部分で負けていた。4年生が主体となってもう一度、規律を見直してやっていきたい」。(ゲームキャプテン・HO大西)

 

ゲームキャプテンを務めた大西

昨年は秩父宮ラグビー場で優勝を掴み、歓喜の中でリーグ戦を締めくくった。しかし今年は入れ替え戦を残すという結果に、悔しさを噛みしめながら秩父宮を後にした。

会場には両大学の應援團と多くの学生の姿があり、学生スポーツならではの会場の雰囲気が出来上がっていた。大東大には「We are DAITO!」と刻印されたシリコンバンドと応援フラッグが無料配布され、フラッグは会場の熱気と共に大きくはためいていた。

 

ラインアウト中のフォワード選手

まさに崖っぷちの状態で挑んだ東洋大学との一戦は、FB(フルバック)タヴァケ・オト(外英4=御所実業)のペナルティーゴールで先制点を奪うかと思われたが、惜しくもゴールならず。対する東洋大はアタックの継続力で大東大を上回り、着実に点数を増やしていく。

先制点を決めたのは東洋大。大東大は自陣10m付近で10フェーズに迫るディフェンス戦を繰り広げたが、右サイド大外での1対1でラインブレイクを許しインゴールを明け渡した。さらに前半18分、大東大はブレイクダウン内の反則により自陣深くまで攻め込まれる。追加点を防ぎたかった大東大だが、東洋大のFL(フランカー) 森山海宇オスティンのドライブでDFを崩され、ラック付近を突破され失点。

 

突破を狙う小田島

その後、東洋大の確実な決定機でのタヴァケの故意のノックフォワードにより相手にペナルティトライを与え0-19とリードを広げられる。そして本人には10分間の退場を示すイエローカードが出された。10分間14人で戦わなくてはいけない大東大は、やはりコート両サイドのディフェンスが手薄となり、失点が続く重苦しい時間が続いた。

それでも前半終了間際、ハーフライン付近でのマイボールスクラムからバックス展開。今季何度もライン際で見せ場を作ってきたWTB(ウイング)山田真生(スポ科2=遠軽)が右サイドのライン際でラインブレイク。大きなゲインから順目に展開するもブレイクダウンの攻防でカウンターラックを許しボールを失う。マイボールが続かず無得点の0-24で前半を終える。

 

ステップで相手をかわす小澤

続く後半、何として反旗を翻したい大東大。しかし、後半開始10分までに2本のトライを許し、さらに点差は広がり0-34となった。自陣での攻防の時間が長かった大東大だが後半12分、東洋大のハイタックルの反則によりタッチキックで敵陣22m付近まで前進。このラインアウトから得点につなげたいところだったが、HO(フッカー)大西樹(スポ科4=御所実業)の痛恨のノットストレートで東洋大のスクラムとなった。このプレーに大西は「やはり(自分のスローひとつに)責任が少なかったと感じる」と振り返る。

それでも仲間に声を掛けもあり大東大は誰一人、闘志を弱めることは無く体を張り続けた。4年生のミスは4年生で取り返すかのようにNO.8(ナンバーエイト)大竹慶宣(スポ科4=つくば秀英)が意地を見せた。敵陣10m付近でFLノア・トファエオノ(外英2=豪・ウェーバリーカレッジ)がタックルからボールを奪うとオフロードパスを大竹につなぐ。紙一重でつながれたボールを受け取った大竹は約40mを逃げ切りゴール中央に飛び込み大東大、初得点を決めた。ゴールもSO(スタンドオフ)伊藤大晟(経済4=開志国際)が冷静に決め7-34とする。

力強いボールキャリーが持ち味のトファエオノ

このトライに大竹は「去年から意識していた(ボールキャリーの)サポートを体現できた。後半に入ってからやっと大東のラグビーをしていると感じる」と話した。

大東大の反撃は続き、後半31分にはSH(スクラムハーフ)遠藤陽紀(経済1=黒沢尻工)を投入し、SH徳重隼(スポ科1=御所実業)とのダブルハーフの体制で攻撃のテンポを上げる。後半34分、フォワードのモールからバックスに展開し、伊藤のロングパスを右サイドの大外で待つ山田がドンピシャで受け取り、インゴールに滑り込んだ。

この連続トライに会場は湧き上がった。

 

トライ後、喜び合う山田と伊藤

 

反撃の狼煙を上げるかのようにタッチキックから、再び敵陣深くでのラインアウトモールを形成。ゴールラインまで前進するも、ここは東洋大にボール下に入り込まれグランディングできない。

後半ロスタイムに突入し、大きく陣地を戻されディフェンスの時間から抜け出せない。試合終了間際、東洋大のCTB(センター) アダム・タマティにゴール目前まで攻め込まれるも、執念の守りでノックオンをさせ守り切った。このノックオンがラストプレーとなり試合終了の笛が鳴った。

ゴールキックを蹴る伊藤

この試合の敗因として選手・監督があげたのは規律とディフェンスだった。

「自分もペナルティをしてしまったが、そういった小さなミスが大きくなって(東洋大に)トライにつなげられている」(大竹)

今季を振り返って、大東らしい相手を畳み掛けるようなアタックは発揮されている。しかし、そのアタックの起点となるのはやはりディフェンス。試合に出ているメンバーの多くは下級生であるが、4年生を中心に専修大学との入れ替え戦に向けて、「大東ラグビー」を練り上げていきたい。

モールを形成するフォワード選手

専修大とは春のオープン戦で41-40の僅差で勝利しているが、油断できない。

入れ替え戦までの2週間、1部残留を勝ち取る4年生の意地に期待したい。

 文・写真/宮田脩平